胃の検査(鼻カメラ)

経鼻内視鏡|胃の検診 胃の中で何が起こっているかは血液検査や単純レントゲン、CTや腹部エコーでは分かりません。内視鏡かバリウム検査でしか分かりません。

 しかし、バリウム検査は検査後にバリウムがなかなか排泄されず、しんどい思いをされた方もあると思います。その点、内視鏡検査は検査中はしんどいのですが、検査後が楽なので、バリウムよりも内視鏡検査を好まれる方はありました。ただ、内視鏡がのどを通過するときに”オエ”とする反射は若い方のほうが強く出るため、経口内視鏡は若い方には人気がありませんでした。

 近年の進歩で、経鼻内視鏡が開発されました。鼻は口ほど広いスペースがないため、内視鏡はかなり細くなりました。以前の口からのものでは、”うどんの様に飲み込んでください”と言っていましたが、太い目の讃岐うどんよりまだ太いという感じでした。ところが、経鼻内視鏡は鉛筆くらいまで細くなりました。

 けれど、鼻から入るというのに抵抗感があると思います。鼻というのは”鼻くそを出すところ”というイメージがあり、”出す場所に逆に入れていく”ということに抵抗感があります。その点、口はもともと、食事を入れる場所だったので、”カメラを飲む”というイメージがつきやすかったと思います。

 しかし、鼻は”空気を入れる”場所でもあります。常に空気を鼻から肺へ入れているので、決して汚い場所ではありません。けれど、その鼻に管を通したら、息が出来なくなるような気がしますね。”口”があるので大丈夫です。鼻が詰ってる方も検査中は口で息が出来ますし、会話も出来ます。”痛いんですけど”など、胃カメラの最中にはしゃべれなかったのが、しゃべれるのです。人は”言えないこと”が一番嫌なので、大変な進歩です。歯医者さんで経験がありますよね。”痛かったら手を上げてください。”といわれますが、痛いと思った瞬間、言葉にならない音を発してしまった経験。。。”ぐぁ”その点、経鼻内視鏡のときは胃の中の映像を見ながら医者と話が出来ます。

 でも鼻は敏感ですよね。わさびのようなものでも鼻の奥がツーーんとします。花粉症もあるので、何かの刺激で、くしゃみが連発するかもしれません。そのあたりはすでに考えられています。経鼻内視鏡のときは鼻の中に十分な麻酔薬を散布しますので、歯の治療のときのように感覚がなくなるのですから。

 でも、のどの奥は通すのですよね。。。経口内視鏡をしたことがある方ならこの”のどの奥を通す”感覚は忘れないですよね。うどんをのむように飲んでくださいといわれ、”オエ”としながらやっと飲み込んで、”はい、無事胃に入りました”と言われても、相変わらずのどの奥にうどんのようなものが詰ってる感じ。。誰しも、のどに食べ物が詰ったら気持ち悪くてお茶で飲み込んでしまいたいものです。ところが、飲み込めないのです。検査が終わるまで。痛くはないけどとても嫌な感じです。

 残念ながら、この”のどの奥の詰った感じ”は経鼻内視鏡でもあります。ただ、”太いうどん”が”そば”くらいになったので、かなり楽ではあります。検査時間は10分ほど。10分間だけ”そば”をのどの奥に残しておけばいいのです。

 カメラを飲み込んでしまえば楽ですよね。たしかに、カプセル内視鏡と言って、薬くらいの大きさの内視鏡が開発されました。これなら、飲み込んでしまって、ウンチと一緒に出てくるのを待てばいいのです。でも、残念ながら、小腸の検査にしか使えません。小腸は細いので、カプセルで見れるのですが、胃はとても広いです。大食いの肩を見ていれば分かりますよね。どんぶり数杯なんて平気です。いえいえ、平気なのは胃なのです。どんぶり数杯でもためられる位広いのです。イメージとしては水枕です。中身が入ってないときはぺたんこですが、水を入れると膨らみますよね。胃も同じで、普段はぺたんこなので、胃の中の状況を見るためには中にカメラを入れて、なおかつ、空気で膨らませないと中の状況が見れません。なので、カプセル内視鏡では検査できないのです。

 最近、胃食道逆流症(GARD)と言う病気が増えています。胃が悪いと言えば昔から”吐き気、むかつき、みぞおちのあたりの痛み”などでしたが、とても胃の症状と思えないような症状の原因が胃にあったというような方が増えてます。

  • 胸焼け
  • のどが焼けるような感じ
  • 胃液が口の中へ逆流する感じ
  • 口がすっぱくなる感じ
  • のどの痛みやつっかえる感じ
  • 嗄声(しわがれ声)
  • 胸痛
  • 原因のわからない頑固な咳

 上記のような症状がある場合、胃食道逆流症(GERD)かもしれません。
本来、一度食道から胃に入った食べ物が食道に逆流しないように食道と胃の間には”逆流防止弁”のようなものがあります。この”弁”の機能が低下してる人に”逆流症”が生じます。
食道まで少し逆流するくらいなら胸焼けとして感じるのですが、人によっては”胸痛”と感じます。もっと上の”のど”まで逆流すると、のどの焼ける感じやいつまでたっても治らない”のどいた”になります。口まで逆流すれば、すっぱい感じがしますし、気管に入ってしまうと”頑固な咳”になります。

 ヘリコバクターピロリ感染も問題になっています。胃潰瘍、十二指腸潰瘍の方は除菌療法を受けたことがあるかもしれません。最近では胃がんの原因になるとか慢性胃炎の方の原因であるとも言われています。今までは潰瘍がなければ除菌療法はしてもらえなかったのですが、最近のガイドラインで”ヘリコバクターピロリ感染”のある方すべてに除菌すべきだと明記されました。このピロリ菌はカメラで肉眼で見えるものではありませんが、組織を少しつまんでくるだけで、菌がいるかどうかの検査は出来ます。慢性的な胃の症状を持っていた方でもピロリ菌を除菌するだけで、食欲が出て、食事が楽しみになったとおっしゃる方もあります。

 除菌といっても強力な薬を撒いたりするのではありません。3種類の薬を1週間飲むだけなのです。たった1週間で、何年間も悩んできた症状から開放されるかもしれません。10年前にはこんな治療もなかったので、いい時代になったとつくづく思います。

 上部消化管内視鏡検査は午前の予約制になります。予約はお電話でもお受けできますが、事前に採血検査を受けていただかなくてはなりません。希望される方は来院されるか、電話で相談してください。

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