ソーラーシステム

当院では9月からソーラーシステムを導入いたしました。

食道異物

高齢者や小児に比較的多くみられるのが、誤って異物を飲み込んでしまい食道に異物が停滞してしまうことがあります。

異物の種類としては小児では硬貨・おもちゃ・円盤状電池が、大人では義歯・魚の骨・薬の包装(PTP)などが多いようです。

食堂内に異物が停滞すると食道粘膜に炎症がおこり食道炎・食道周囲炎などを引き起こします。最終的に穿孔(穴が開く)し重篤な状態に陥ることもあります。

異物を誤って飲み込んでしまい食道に違和感などを生じる場合は速やかに内視鏡検査などで異物を確認し摘出することが重要です。

 写真は86歳の女性で薬のPTPを誤嚥し内視鏡で摘出した時のものです。

迷入膵とは

迷入膵迷入膵は過誤腫とも呼ばれています。胃の裏側に膵臓が有ります。胎児期に胃と膵臓の組織は別れますが、膵臓の組織のごく一部が胃の筋肉の層に誤って入り込んだ状態で胃と膵臓が別れてしまうときがあります。この迷いこんだ膵臓組織を迷入膵(副膵とも言います)と呼んでいます。胃の幽門部に好発して粘膜下腫瘍の形態を取ります。胃の細胞組織とは違うので、腫瘍と云う形になってしまいますが、これは今説明した様に膵臓の組織が出ているからです。

切除する必要も無いですしもちろん悪性ではありませんから安心して下さい。

一般的に無症状で偶然はわかることが多いです。

胃アニサキス症

 

胃アニサキス摘出

 

 

 

 

 

胃アニサキス症をご存知ですか。

 アニサキスとは海産動物に寄生する寄生虫の一種です。

人に感染する時はサケ、サバ、アジ、イカ、タラなどの魚介類から感染することが多いとされています。

寄生部位は主に胃です。

胃アニサキス症の症状は激しい腹痛と嘔吐です。下痢は認めません。この症状はアニサキスの虫体が寄生のために胃壁を食い破ろうとして起こる症状です。

治療法としては初期であれば胃カメラで胃粘膜上の虫体を確認し、生検に用いるものと同じ鉗子を用いて虫体をつかんで取り除く方法があります。こうすればすみやかに症状が消失することが多いです。

最近、経験した胃カメラの写真です。細いそうめんみたいなのがアニサキスの虫体です。生検鉗子で取り除きました。

肥満

一般的には身長のわりに体重が重い人が肥満と呼ばれています。ですが同じ身長で同じ体重の人でも脂肪の多い人筋肉質の人がいます。肥満は脂肪の多いほうが問題となるのですが体重で決まります。現在使われている指標にBMI(Body Mass Index)が良く使われています。

BMIの計算式は「体重(Kg)÷身長(m)2」となります。これでは書いたように同じ身長と体重で同じ結果が出ます。でもなぜこれを用いるかですが、成人で体重が増加する時は普通は脂肪が増えてくるからです。普通に暮らしている人がいきなり筋肉マンになることはあまり考えられません。そこでBMIgが25以上なら肥満であるとしているのです。

肥満の治療法は食事療法・運動療法がありますが大切なのは行動療法だといわれています。いくら医者や栄養士、運動療法士さんから指導を受けても実際に行うのは患者さん本人だからです。行動療法とはいかに患者さん自身のやる気を出させるかどうかにかかってきます。カロリー制限や運動指導を受けている方は一度、ご自身の生活スタイルを見直すことをお勧めします。

ちなみに欧米は肥満の先進国といわれています。日本ではほとんど用いられていない薬物療法や手術療法が盛んに行われているそうです。アメリカの消化器外科医はまず肥満手術でトレーニングを受け、それから癌などの消化器手術を修練していくそうです。

GERDガイドライン2009

GERDガイドライン2009が発表されました。

まだ、冊子にはなっていないようですが、その研究会がありました。

GERD(胃食道逆流症)とは主に胃酸が胃から食道に逆流することによっておこる病態です。主な症状は胸やけですが、そのほかに胸痛やつかえ感などがあります。

内視鏡でみて食道にびらんなど食道炎の所見があるものを狭義のGERDと内視鏡で見て食道炎所見がないのをNERDといいます。どちらも症状はおなじでQOLも同じです。なので両方とも治療の対象になります。

 薬物療法以外で有効性が証明されていることは

①     体重を減らす。

②     就寝時にベットの頭側を上げる。 

事のみです。

 よく用いられる薬剤がPPI(プロトンポンプ阻害薬)です。このPPIで症状が消失する確率はびらん性食道炎では90%であるのに対しびらんのないNERDは60%でしかなくNERDのほうが悪い結果でした。このことは内視鏡で見て所見がないからといって放置することはできないと思います。

 PPI治療に反応しないGERDの中に胃酸の逆流だけでなく胆汁酸の逆流があるものが40%に認められました。また、胃酸も胆汁酸も逆流していないものが25%に見られました。

これをFunctional heartbumといいます。機能性胃腸症の一つであると考えられています。

 PPIの次によく用いられる薬としてH2ブロッカーがありますが研究の結果で長期間使うと耐性ができて効かなくなることがわかりました。長期間の使用は控えるべきだと思われます。

PPI治療で症状がなかなか改善しない時にH2ブロッカーを寝る前に使用するという方法もあるようです。また、PPIの血中濃度のピークが食後2時間後のため食後に飲むのではなく食前30分前に飲むといいという先生もおられます。

 いずれにせよ単なる胸やけと言わず主治医に相談することをお勧めします。

また食道がん胃がんでも胸やけの症状がありますので注意が必要です。

EMRとESDについて

以前に早期胃癌の治療で内視鏡的粘膜切除術(EMR)についてお話をしましたが、その欠点はスネアというループ状の針金をまいて電気的に焼き切るので、スネアの大きさを超えるような大きな病変は一度には取りきれないことでした。何回かに分けて切除すると採った病変が複雑になりどこにどのように癌があったか不確実になります。癌がとりきれたのか残っているのかの判定も難しくなります。

そこで考えられたのが内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。特別な機械が開発され大きな病変を一度に切除できるようになりました。粘膜下層に液体を注入して病変を浮き上がらせて切除するのはEMRと同じですが、切除する道具がちがいます。電気的なナイフのような機械でそり落とすようなイメージです。これにより早期胃癌の内視鏡的な治療の適応範囲が広がりました。

ワーファリンと食事について

高齢者の心房細動などによる血栓(塞栓)予防にワーファリンが推奨されるようになり、使用頻度も多くなりました。つまり血液を固まりにくくする薬です。

心房細動の患者さんは心房がプルプル震えて心房内の血液の流れがとどこおり血液の塊が作りやすい状態になっています。その血液の塊が血流にのり、流れ出して脳の血管につまると脳梗塞になるわけです。

その作用は肝臓でビタミンK依存性凝固因子を抑制することで血液を固まりにくくします。その作用が効果的にはたらいているか(薬が効いているか)を知るために血液検査が必要です。血中のPT-INRという数値をはかります。この数値が小さいと固まりやすく大きいと固まりにくいということになります。患者さんの状態にもより違いますが、たいていは1.6~2.6のあいだでコントロールされます。

薬の量により調節されますが、食事の内容によっても変わってきます。ビタミンK依存性凝固因子を抑制することで血液を固まりにくくしていますのでビタミンKを多く含む食品を大量に食べたりするとワーファリンが効きにくくなります。

特に納豆、青汁、クロレラに多く含まれていますので、これらは食べないでください。

緑黄色野菜・海藻類にも含まれていますが、これらをまったく食べないことは栄養上よくありませんので毎日一定量をとるようにして一時的に過食することは避けてください。

骨粗鬆症とは

老化やカルシウム不足、運動不足などにより骨量が減少して骨がスカスカになりもろくなる病気です。時に背骨や股関節などの骨が折れることがあります。

年をとってくると身長が減ってきますが、年に1cmも縮んでくるときは注意が必要です。

高血圧の治療の目的は将来に脳卒中などの危険性をできるだけ少なくすることです。同じように骨粗鬆症の治療の目的は将来の骨折の危険性を少なくすることです。

すなわち高齢者では骨粗鬆症による骨折や背中や腰の激痛で寝たきりや介護の必要な生活になってしまうことがあります。

骨を強くするためにはバランスのいい食事と適度な運動に心がけましょう。また、日光浴もいいようです。薬としては骨の破壊を抑える薬と骨の材料を補う薬があります。

PEG:ペグ(経皮内視鏡的胃瘻造設術)とは

経皮内視鏡的胃瘻造設術(percutaneous endoscopic gastrostomy:PEG:ペグ)とは内視鏡をもちいて胃瘻を造ることです。

一般的に必要な栄養を自力では摂ることができない場合に適応があります。たとえば脳卒中や神経疾患で食事が飲み込めない時や高齢で誤嚥性肺炎を繰り返す場合などです。
内視鏡を使用して胃瘻チューブを挿入します。方法にはいくつかありますが、経口的に内視鏡を挿入し腹壁から胃内に針をさして器具を引き抜く方法や突き刺す方法があります。
また、鼻カメラでも胃と腹壁を何針か固定することで可能です。

利点は中心静脈栄養(ある程度太い血管にチューブを挿入し輸液する方法)や鼻から胃までチューブを挿入して行う経腸栄養の苦痛や拘束から開放されリハビリテーションを積極的に行えます。在宅での管理も比較的簡単で入浴も可能です。

考えられる施行時の偶発症としては出血、腹膜炎などがあります。お腹から針を胃まで刺すのですから胃周囲の血管などが傷ついて出血することがあります。胃のほかに小腸や大腸が傷つき腹膜炎を起こすことがあります。いずれもひどい時は緊急手術になることもあります。しかし報告では約4%にすぎません。
造設後の合併症として胃瘻の周囲皮膚炎やチューブの位置異常、自然抜去などがありますがいずれも重篤ではありません。

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