胃瘻

皆さんは胃瘻をご存知でしょうか。
人が栄養をとるには口から食べ物をとるのは当然です。しかし、何らかの理由で食事ができなくなる場合があります。
一時的に胃腸の機能が低下したり、手術後で食事ができない場合は点滴で血管内から水分や栄養をとります。
脳梗塞の後遺症など長期間になる場合は点滴では限界があります。次の方法としては経腸栄養法があります。鼻から胃まで細いチューブを入れてそこから栄養剤を流しこみます。これも限界があり誤嚥のリスクもあがります。そこで最終的には内視鏡をもちいて胃に直接チューブを入れる方法が内視鏡的胃瘻造設術(PEG)です。胃瘻が安定するまで1週間ほどかかりますが、それ以降は腹部のチューブから栄養剤を注入できます。

内視鏡が入るリスクはありますが、栄養管理は楽になります。自宅での栄養剤の注入も可能です。口からの食事もできればかまいませんし、入浴も普通にできます。なによりも鼻から通るチューブの違和感なくことが患者さんにとって最大のメリットです。
3~4ヶ月ごとに胃瘻チューブの交換が必要となりますが、入院の必要もなく外来でできます。

ごく早期の食道がん・胃がんの治療

 がんといえばすぐに切って(手術)しまうと思われがちですが、近年医療技術や器具の進歩によりごく早期のがんに対して手術なしで治療することが可能となりました。
それが内視鏡的粘膜切除術(EMR)です。

 経口内視鏡の先に特殊なキャップをつけてその先に電気が流れるわっか状の針金を付けます。
その内視鏡を挿入し、特殊な針で病巣部(がん)の粘膜下に液体を注入し浮き上がらせます。
そこに先ほどのキャップを押し付けて吸い込み針金でねもとをしめます。電気メスのように粘膜だけを切り取ります。
 通常の内視鏡検査より多少時間がかかりますので静脈麻酔薬でボーとさせながら行います。腫瘍の大きさ・場所にもよりますが、1時間ほどで終了します。
合併症としては出血・穿孔などがありますが、ほぼ保存的に軽快します。

 施設により多少方法が違ってきますので詳細は行っている施設で聞かれることをおすすめします。

休診のお知らせ

3/21土曜日は休診いたします。

ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。

胃カメラについて

 胃カメラはどうしても苦痛であるイメージがあります。実際、私も何年か前にカメラをした経験があります。ベテランの先生にお願いをしたのですが、それでもある程度苦痛でした。この苦痛をかるくするために鎮静剤による麻酔を行うこともありますが、やはり偶発事故のリスクが高くなります。

 バリウムによるレントゲン検査も経験していますが、やはりゲップを我慢したりレントゲン台の上を上下左右うごきまわったりして大変でした。あとのバリウム便もなんぎです。この数年の内視鏡のシンポでかなり細くなり、解像度もよくなりました。メリットとして「嘔吐感がすくない」「苦痛がすくない」「話せる」「麻酔事故のリスクがすくない」などです。患者さんにとって一番やさしい胃の検査だと思われます。

 たまに狭い空間である鼻腔内をとおるため、鼻血がでたり痛みがあることもありますが、すぐによくなります。かなり低い確率で鼻がとおらない人もいています。

 しかし、鼻からの内視鏡検査を受けた患者さんのアンケート結果では95%の患者さんが今後も鼻からの内視鏡検査を希望すると答えられました。

 「胃の調子が悪い」「むねやけがする」などの症状が薬でよくならないときには早めの内視鏡検査をおすすめします。

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