胃潰瘍か胃癌か

胃内視鏡検査で胃に腫瘍が見つかることがあります。問題になるのが陥凹性病変の腫瘍です。ある程度見た目で悪性か良性か(胃潰瘍か胃癌か)は判断がつく場合がありますが、最終診断ではどうしても病理組織検査が必要です。肉眼所見で潰瘍が強く疑われたのに病理組織検査では癌であったということもあります。逆の場合もあります。

しかるにポリープのところでもありましたが、病理組織検査が重要になります。

 

病理組織検査を行うためには生検が必要です。内視鏡の側口(細い穴)から生検鉗子を入れて胃粘膜の組織をかじりとります。もちろん鼻カメラでも可能です。

組織をホルマリン固定して特殊な染色を行い、病理医が判断しますので結果が出るまで7日~10日間かかります。

胃カメラを受け、生検をされた方は後日必ず主治医に結果を聞くようにしてください。

ワルファリンと胃内視鏡検査

近年、不整脈とくに心房細動の塞栓症予防のために抗凝固療法が注目されています。

非弁膜性心房細動の患者さんは一般の人より約5倍の塞栓症リスクがあるようです。塞栓症で代表的なのは脳梗塞すなわち脳卒中です。それを予防するために抗凝固療法が行われます。すなわち血液を血管内で固まりにくくします。その代表の薬剤がワルファリンです。

 

そこで問題になるのは抜歯や内視鏡での生検など出血をともなう処置を行うときです。以前は何日か前に内服を止めて抜歯や内視鏡検査をしていました。最近の研究で、急にワルファリンを中止した患者さんの中で約1%の人に重篤な脳梗塞をおこすことがわかりました。そこで抜歯は外部からの圧迫止血ができるのでワルファリンをとめずに行うことが奨励されています。

内視鏡検査での生検は止血操作が困難な場合がありますので、各施設でいろいろ意見が分かれるところです。肉眼でもある程度、胃潰瘍か胃癌かは判断がつきますが、最終診断はやはり病理組織検査に委ねられます。

当院の基本的な方針は通常の胃内視鏡検査はワルファリンはとめずに行い、どうしても生検が必要な場合は、後日内視鏡センターなどがある病院において手術に準じた方法で行うように依頼するのが最良だと考えています。

糖尿病のインスリン療法

昔は糖尿病でインスリン注射を始めるとなると糖尿病の末期状態でどうしようもないと思われがちでした。現在はインスリン療法の考え方もかなり変わってきたようです。

 

糖尿病の治療では、良好な血糖コントロールを保つことがとても大切です。数々の糖尿病薬を内服していてどうしても血糖値やHbA1cが下がらない状態が長期間継続していると数々の合併症を起こしてきます。

また、インスリン療法の開始が遅れると膵臓のインスリン分泌細胞の破壊が進んでいくようです。

 

患者さん自身の血糖コントロールが悪いからインスリン注射までしなくてはいけないと思われがちですが、逆にコントロールを良くするためにインスリン注射をすると考えたほうがいいかもしれません。今までがんばっていた膵臓のインスリン分泌細胞を少し休ませてあげるとも考えられます。

 また、一度はじめてみてどうしても続けられなければ中止しても悪くはないと思います。

 

インスリン療法の導入基準はHbA1c7.5-8.0%です。使うインスリンの種類は何種類かありますのでその人にあったものを選ぶ必要があります。

 

ダンピング症状(症候群)とは

今回は胃の手術後の後遺症であるダンピング症状についてです。

胃を切除すると食物を貯留する機能が低下して食べたものが小腸に早く流れこむようになります。そのために起こる症状がダンピング症状です。正確には早期ダンピング(食後30分以内)と後期ダンピング(食後2時間)に分かれます。

早期ダンピングは食後2030分以内に起こる症状で腹痛、嘔吐、おなかが張る、下痢などの腹部症状とめまい、動悸、冷や汗、眠気などです

原因は食物が急速に小腸に流入することにより過血糖になることと小腸の活発な動きにより小腸に血液が集まってしまうことです。

後期ダンピングは食後23時間で起こる症状で冷や汗、振るえ、脱力感、倦怠感、めまい、眠気などで早期ダンピングと違いおなかの症状はありません。

原因は食後の一過性の高血糖になり血糖を下げようとインスリンが過剰に分泌され、逆に低血糖になることによります。

 

教科書的には治療薬などがありますが、一番の予防法としては食事の仕方です。

ゆっくりよくかんで食べることと食事の1回量を減らし回数を増やすことです。

この症状は胃の手術後だけではありません。普通の胃でも食物が何らかの原因で小腸に流れこむと起こします。

 

いずれにせよ早食いはいけません。

緊急のお知らせ(新型インフルエンザ(豚インフルエンザH1N1)について)

和泉市医師会より新型インフルエンザの対応について通知がありました。

 

10日以内に豚由来インフルエンザ発症地域(メキシコ等)から帰国し38度以上の発熱などの症状がある場合は一般医療機関を飛び込み受診せず、下記の保健所まで電話してください。(他の患者等への感染防止のため)

《連絡先》

午前9時~午後6時まで

大阪府和泉保健所   0725-41-1342

午後6時~午前9時まで(当分の間24時間)

大阪府        06-6944-6791

 

休日中も下記時間帯は保健センターで対応しています。

5/2(土)午前9時~午後1

5/3(日)午前9時~午後5

5/4(月)午前9時~午後5

5/5(火)午前9時~午後5

5/6(水)午前9時~午後5

連絡先 保健センター  0725-44-1091

 

和泉市以外の方は最寄りの保健所に相談してください。

大阪府ホームページでも新型インフルエンザの情報を提供しています。

http://www.pref.osaka.jp/

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