肥満

一般的には身長のわりに体重が重い人が肥満と呼ばれています。ですが同じ身長で同じ体重の人でも脂肪の多い人筋肉質の人がいます。肥満は脂肪の多いほうが問題となるのですが体重で決まります。現在使われている指標にBMI(Body Mass Index)が良く使われています。

BMIの計算式は「体重(Kg)÷身長(m)2」となります。これでは書いたように同じ身長と体重で同じ結果が出ます。でもなぜこれを用いるかですが、成人で体重が増加する時は普通は脂肪が増えてくるからです。普通に暮らしている人がいきなり筋肉マンになることはあまり考えられません。そこでBMIgが25以上なら肥満であるとしているのです。

肥満の治療法は食事療法・運動療法がありますが大切なのは行動療法だといわれています。いくら医者や栄養士、運動療法士さんから指導を受けても実際に行うのは患者さん本人だからです。行動療法とはいかに患者さん自身のやる気を出させるかどうかにかかってきます。カロリー制限や運動指導を受けている方は一度、ご自身の生活スタイルを見直すことをお勧めします。

ちなみに欧米は肥満の先進国といわれています。日本ではほとんど用いられていない薬物療法や手術療法が盛んに行われているそうです。アメリカの消化器外科医はまず肥満手術でトレーニングを受け、それから癌などの消化器手術を修練していくそうです。

GERDガイドライン2009

GERDガイドライン2009が発表されました。

まだ、冊子にはなっていないようですが、その研究会がありました。

GERD(胃食道逆流症)とは主に胃酸が胃から食道に逆流することによっておこる病態です。主な症状は胸やけですが、そのほかに胸痛やつかえ感などがあります。

内視鏡でみて食道にびらんなど食道炎の所見があるものを狭義のGERDと内視鏡で見て食道炎所見がないのをNERDといいます。どちらも症状はおなじでQOLも同じです。なので両方とも治療の対象になります。

 薬物療法以外で有効性が証明されていることは

①     体重を減らす。

②     就寝時にベットの頭側を上げる。 

事のみです。

 よく用いられる薬剤がPPI(プロトンポンプ阻害薬)です。このPPIで症状が消失する確率はびらん性食道炎では90%であるのに対しびらんのないNERDは60%でしかなくNERDのほうが悪い結果でした。このことは内視鏡で見て所見がないからといって放置することはできないと思います。

 PPI治療に反応しないGERDの中に胃酸の逆流だけでなく胆汁酸の逆流があるものが40%に認められました。また、胃酸も胆汁酸も逆流していないものが25%に見られました。

これをFunctional heartbumといいます。機能性胃腸症の一つであると考えられています。

 PPIの次によく用いられる薬としてH2ブロッカーがありますが研究の結果で長期間使うと耐性ができて効かなくなることがわかりました。長期間の使用は控えるべきだと思われます。

PPI治療で症状がなかなか改善しない時にH2ブロッカーを寝る前に使用するという方法もあるようです。また、PPIの血中濃度のピークが食後2時間後のため食後に飲むのではなく食前30分前に飲むといいという先生もおられます。

 いずれにせよ単なる胸やけと言わず主治医に相談することをお勧めします。

また食道がん胃がんでも胸やけの症状がありますので注意が必要です。

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